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書店ガール 碧野 圭

              書店ガール

今年の芥川賞、直木賞が決まりましたね。
 
西加奈子さんといえば、一番最初に読んだのは「さくら」でした。最初はほのぼのといい家族だなぁと読んでいたのに、だんだん切なくて悲しくて、なんでこんなに辛い展開にするのだろうと思いながら読み進めていったのを思い出します。
 
さて本といえば、書店を舞台にした「書店ガール」を年末年始に一気に3冊読みました。はい、面白かったです。
 
1冊目。吉祥寺にある老舗の大型店舗で働く2人の書店員が中心のお話。一人は40代独身、アルバイトから長年かけて社員になった理子。かたや20代で華やか、高収入の彼と結婚したばかりの親のコネ入社の亜紀。
全くタイプの違う二人は最初は犬猿の仲です。しかし二人とも書店員の仕事が好きなのは一緒です。そんな二人が自分たちのお店が閉店になってしまうかも知れないという壁にぶち当たった時、他の書店員も巻き込んで一つになって売上アップを目指します。次第にお互いがお互いを認め、自分に足りないものを相手の中に見つけます。
書店員さんたちの日々の努力が爽快です。
 
2冊目。別の大型書店に一緒に転職をした理子と亜紀。すでにお互いはよき理解者。
理子はすでに出来上がっている組織の中に店長として入るむずかしさ、亜紀は妊娠をきっかけに仕事に対する考え方が家族と違う事に悩まされます。そんな中でも本の持つ力、書店の意味を考え、個々ではなく他の書店や書店以外のお店をも巻き込んで、地域を盛り上げようとします。人と人との付き合いって難しいけど、頭で考えるより単純な事なのかも知れません。10あるうち10全部意見を合わせるのは大変だけど、その中で一つでも同じ考え方のものがあれば、一緒に頑張れるのではないでしょうかねぇ。
 
3冊目。実はこちらがとても心に残る1冊となりました。
エリア統括部長になった理子。産休明けで現場復帰の亜紀。そしてあの震災から3年後の仙台と吉祥寺のお店です。
この「書店ガール」は小説ではありますが、ところどころ実際の事が入っています。あの震災の時の仙台の書店員たちの行動、被災者たちが書店に望んだ事。
「同情するより本を売る」と東北の版元の本を取り寄せて売った神戸の書店の話が出てきますが、こちらも実話。
震災3年後の今、仙台の人達の思いを受けて「震災フェア」に挑戦する理子。
あの日の事を吉祥寺の書店員たちが語るところでは、思わずじわっと涙が出そうになりました。
感動したのではなく、あの日の事を私も思い出したのです。私達は東北の人に比べたら、全然被災者でもなんでもありませんが、あの日東京で働いていた人達は誰もが同じ思いをしたのでは。私も自宅へは帰れず、上司の家で雑魚寝をし,徹夜で東北の社員の安否確認をしている社員のためにみんなでおにぎりを握った。夜中何度も訪れる余震にみんなで震えた。家で一人でいるちーちゃんが心配で仕方なかった。でも翌日からの方が大変で、自分が何が出来るのかわからず、とりあえず買いだめをしない事にした、計画停電があったので子供さんがいるお宅に懐中電灯を譲った、仙台支店に応援に行く社員の人に集められるだけの乾電池を託した、そして自分たちの飲み水は沸騰させた水道水で、ちーちゃんにだけミネラルウオーターを飲ませた、手元にあるミネラルウオーターはすべて子供のいる三鷹の兄に送った。出来るだけお金を回そうとあえて外食ばかりをした・・・今考えると不思議ですが震源地から離れている東京もみんな必死でしたよね。節電のため駅はエスカレーターも動いていなかったし、本当に誰かに見張られているわけでもないのに、みんな節電節水を真面目にやってましたよね。やらされているわけではなく、やらずにはいられなかった・・・。

そして今日は1.17。阪神大震災の時、私は兵庫県に住んでいましたが、やはり被害にはあっていません。しかし少し離れたところに住んでいた夫は半壊の建物の中で目が覚め、しばらくは大変な思いをしたそうです。り災証明は未だに捨てられずにいます。
もう一度色々な事を思い出すいいきっかけになりました。
 
そして、この三冊の本の中には実在する本の名前がたくさん出てきます。ほとんどが知らないものだったりするのですが、中に自分の好きな本が出てくると少し嬉しくなってきます。そしてこの本の中での一番ポイント。この言葉を見つけた時には「そう。そう。そうなんだよね」と思わずうなずいてしまいました。
 
本を誰からか貰うって特別な事だと思いませんか?
贈り手は、自分が受けた感動をその人と共有したいとか、自分の考えを相手にも理解してほしいとか、そういう気持ちでおくるわけでしょう?だから受け取る方にもそれ相応の覚悟がいると思うんです。本のように相手の感情や思考にまで影響を与えるようなプレゼントはほかにない。本を贈るのはほかのものを贈るのとはちょっと意味が違う

 
私が常日頃思っている事なのです。
私は本を頂くことも差し上げることも多いです。でもいつも思っています。貸すのではなく差し上げるという事はその人の側に置いてほしい1冊という事なので責任があるのではないかと。おおげさかもしれませんが、私はいい本を読み終わった後、あぁこれはあの人にあげたいなぁと、いつも誰かの顔が浮かんできます。機会があればその人にお渡しするようにしています。まぁこれは自己満足ですが・・・。
 
今まであえてこの人にと差し上げた本を少し思い浮かべました。
 
とにかく何となく毎日やる気がなかった女友達には
奥田哲朗さん「ガール」、角田光代さん「薄闇シルエット」、垣谷美雨さん「リセット」、さとうさくらさん「スイッチ」 
親子間がうまくいってないという人には
村山由佳さん「星々の舟」、重松清さん「流星ワゴン」(←ドラマ化されるようですね) 
子育てに悩んでいたお友達には
重松清さん「きよしこ」」、瀬尾まいこさん「卵の緒」
 ラインナップがミーハーなのはお許しいただきたいですが、ほかにもたくさんの本がお嫁に行き、私のももとにもたくさんの本が回ってきました。電子化時代の今、出版物は苦戦していると言いますが、手元に残しておきたいのはやはり本だと思います。
 
入った時に、あぁここは自分好みだと思える書店に出会えることもめったにはないですよね。本の並び方やPOPなど自分が手に取りやすい書店に巡り合うと本当に幸せな気分になれます。
それは本の魅力だけではなく、そこで働く書店員さんの本への愛情の表れなのだと思います。そう思いながら、もう一度いつもの書店に行くと、書店員さんに感謝すら覚えるようになりました。ありがたいです。
 

こちらはとても読後感のよい作品でした。長文になってしまいましたね(笑)
 
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